2023年12月に発売予定の
NTRディスピュート。
この作品ではローカル環境のStable Diffusionを用いて
キャラクターやHシーン、背景の絵を生成しました。
絵を描く才能の無い作者にとって
このStable Diffusionは非常にありがたい。
ただ、このStable Diffusionを使用するにあたり
PCの性能などをある程度しっかり選んで
購入する必要がありました。
「自分もStable Diffusionで絵を生成したいけれど
どんなPCを選んでいいか分からない」
という方にこそ、この記事を読んで欲しいです。
今回は、Stable Diffusionを使うためのPC選び
について解説していきたいと思います。
是非、最後までご覧ください!
ローカル環境を構築する理由
今回PC選びについて解説するのは、
Stable Diffusionをローカル環境で使うため
です。
ローカル環境を利用した方がいい理由として
①ウェブ版で使う「Google colab」は月額料金がかかる
②モデルをインストールするのが簡単
③R18の絵をウェブ上で作るのは気が引ける
という3つの理由が挙げられます。
この中で、特に自分のように
「ゲームを作って販売しよう」という方にとっては
②の理由は特に重要です。
AIイラストを生成するためのモデルには
商用利用不可のモデルの方が多いため、
きちんとモデルを選択しないと
最悪訴えられる可能性も…!
AIイラストを取り巻く環境は
過去に作品を描いてこられた方が持つ権利や
描かれてきた作品への敬意など、
非常にナイーブな部分にさわる場合もあります。
こちらの記事でも触れましたが、
モデルを選択する際には
きちんとモデルの利用条件などを読み、
作品の基として大丈夫かどうかを確認してください!
ローカル環境を利用するためのPCスペック
さて、ではローカル環境を利用するための
PCスペックをズバリご紹介します。
推奨スペック | |
PCの種類 | デスクトップ型 |
OS | Windows (64bit) |
CPU | 特段の推奨無し |
GPU | VRAM 12GB以上 |
メモリ | 16GB以上 (追加学習を迷うなら32GB以上) |
ストレージ | 512GB (1TBあると尚よし) |
①PCの種類: デスクトップ
PCは、デスクトップ型を選びましょう。
理由は、グラフィックボードを選べるから、です。
Stable Diffusionをローカル環境で利用するには
グラフィックボードの性能が一番大事。
そして性能の良いGPUを使うには
デスクトップの方が適しています。
ノートPCではサイズの問題などから
性能の良いグラフィックボードを
搭載できない場合があるためですね。
また、R-18の絵を生成するならば
公の場では絶対にしない方がいいので、
「持ち運びしたい」という理屈は
片隅にそっと捨てておきましょう。
②OS: Windows推奨
次に使用OSですが、
Windowsを推奨します。
これは公式が発表しており、
こちらのページで全文を確認できます。
Currently most functionality in the web UI works correctly on macOS, with the most notable exceptions being CLIP interrogator and training. Although training does seem to work, it is incredibly slow and consumes an excessive amount of memory. CLIP interrogator can be used but it doesn’t work correctly with the GPU acceleration macOS uses so the default configuration will run it entirely via CPU (which is slow).
(以下、DeepLによる和訳) |
(引用元:GitHub)
MACでは動作が遅くなる場合もあるため、
新規に購入する場合は
Windowsを選択するのをお勧めします。
③CPU: 特段の推奨無し
CPUについては
特段に考慮する必要はありません。
Stable Diffusion単体で扱うならば
Core i3があれば十分です。
仕事にも使おうかな、と思うのであれば
Core i5以上を選択すれば大丈夫でしょう。
④GPU: ここはこだわろう!
次にGPUですが、
このパーツはStable Diffusionを扱う上で
要になる最重要パーツです。
AI画像生成はグラフィックボードをフル稼働させて
「ノイズを除去していく」という工程を繰り返すため
GPUの性能が画像生成のスピードに直結します。
NVIDIA製のグラフィックボードが推奨されますので、
その製品の中から選択しましょう。
筆者は、以下のような選択基準で
選ぶと良いのではと考えています。
こんな方へ | VRAM | 価格 | |
NVIDIA GeForce RTX 4090 | 性能を重視する | 24G | 226,606円 |
NVIDIA GeForce RTX 4070 | バランスを取りたい | 16G | 108,482円 |
NVIDIA GeForce RTX3060 | 価格を重視したい | 12G | 49,800円 |
⑤メモリ: 16GB以上 (迷ったら32GB)
次にメモリですが、
公式の推奨は16GB以上です。
8GBでも動作はするようですが、
途中で動かなくなっても文句を言えなくなるため
おとなしく16GB以上を購入しておきましょう。
また、「特定のキャラを出したい」となった時に
LoRaを作成・使用する場合があるならば
32GB以上を選択することをお勧めします。
シナリオを必要とするゲームでは特に
「同じキャラを出す」というのが大事になるので
迷うなら32GBを選択しましょう。
⑥ストレージ: 512GB以上で
最後にストレージですね。
ここは予算で妥協するポイントもあると思いますが、
512GB以上は欲しい所です。
モデルをダウンロードしたり
絵を生成する過程で生成された絵の情報が積もり
ストレージを圧迫する場合があるためです。
場合によっては外付けのHHDを購入し
データを逃がすことなどを検討しましょう。
番外編⑦:自宅のスペース
さて、これは番外編です。
PCを置くなら自宅のどこに設置するのか、を
考えてから購入しましょう。
デスクトップPCを選択するため
ある程度サイズが大きくなってしまいます。
このため、置き場所の大きさを事前に測って
PCのサイズと比較しておくべきでしょう。
ちなみに筆者の場合は
設置予定場所にはコードが多数あったため、
耐久重量などを確認して
PCボードも購入しました。
具体的にどのPCセットがお勧め?
さて、ここまでPCのパーツごとに
お勧めを挙げてきました。
ですが、筆者も直面した問題は
「どのセットなら大丈夫か分からない」
「単独で買っても組み立て出来ない」
というもの。
時間と余裕があるならば、
電化製品店に行って「自作PCコーナー」で
上記のスペックでの選択肢をチェックしながら
店員さんと相談してみましょう。
筆者は店員さんと相談したうえで、
「OMEN by HP 25L Desktop パフォーマンスモデル」という
PCを購入しました。
以下が基本的なスペックです。
基本スペック | |
PCの種類 | デスクトップ型 |
OS | Windows (64bit) |
CPU | Intel® Core™ i7-13700F |
GPU | Nvidia Ge Force RTX 4070(VRAM12GB) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB |
サイズ | 幅165mm×奥行396mm×高さ448mm (13.81 kg) |
なお、PC単体を購入したならば
他にもマウスやモニターも購入しましょう。
電源を入れ、操作するには
マウスとモニターが必要です。
もろもろ購入するためにも、
家電製品ショップで見繕うといいでしょう。
まとめ
如何だったでしょうか?
今回は、Stable Diffusionをローカル環境で
作動させるために必要なパソコンについて
紹介してきました。
・ローカル環境で構築するべき理由
・必要なパソコンのスペック7項目
・筆者が購入したパソコン
が分かりましたね!
Stable Diffusionをローカル環境で動作させるには
なんだかんだ20万円前後を用意する必要があります。
ただ、この環境を整えれば
皆さんが頭の中で妄想していたものを
現実に落とし込むことが可能になります。
筆者は一人でゲームを作るために必要な能力が
いくつも欠けています。
その中で最大の要因となりうる
「絵」という面をカバーしてくれるのが
このStable Diffusion。
もちろん、画像生成AIならではの
大変な面もありますが、
筆者にとっては何もできないより大きな前進。
是非、皆さんもローカル環境を構築して
Stable Diffusionを触ってみてくださいね!
また、Stable Diffusionは
「モデル」を導入することで
生成したい絵柄を選択することができます。
モデルの絵柄について知りたい方は
こちらの記事を是非ご覧ください!!
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